2003/09/10

持たざる経営のすすめ

今日は皆様の会社の資産内容について、少し考えてみませんか?

◆企業の資産は何の為にありますか?
さて、読者の皆様方へ質問ですが、企業の資産とは、いったい何の為にあるのでしょうか?
今までもこの講座の中で、何度となく述べてきましたが、会社の決算書のバランスシートの中身についてもう一度、考えてみましょう。
ご存じのように、バランスシート(=貸借対照表、以下B/S)の左側の部分が、その会社の「資産の部」として、皆様方の会社の、いわゆる「財産目録」がずらずらと記載してあります。
さて、これらの資産はいったい何の為にあるのでしょうか?
経営者の中には大きく分けて、以下の2通りの考え方があるのではないでしょうか?

A社長
創業から○○年、汗水垂らして働いた結果として、残った財産の中身が資産だよ。

思えば色んな事があったけど、苦労の結果、立派な本社ビルも建ったし、大きな工場も残っている。これこそが我が社の発展の証だよ。

 

B社長
うちの会社は、まだ大した資産はないなあ。でも、B/S上の原材料や機械設備は、いかにこれから稼いでいくかの大事な道具ですからね。利益を生み出す為に役に立たない資産は、持つだけ無駄ですね。

如何ですか?A社長は、今まで一生懸命働いて、ひたすら資産を残してきたようです。彼にとって、立派な本社ビルは、会社の歴史であり、自分の成功の証なのです。

逆にB社長は、立派なビルや黒塗りの社長車には興味がありません。そんなものよりも、自分の会社の商品をより効率よく生産できる、新型機械が欲しくてたまらない様子です。

さてさて、皆様はどちらのタイプに近いでしょうか?そして、グローバルスタンダードで、求められているのはどちらのタイプの会社でしょうか?
答えは言うまでもありませんね。B社長の会社こそが、これからの企業の目指すべき姿です。

◆資産が少ないことのメリットとは・・・

まず、なんといっても、必要な資産を最小限に押さえると言うことは、必要な資金を最小限に押さえるという意味も持っているということです。つまり、資産が少ない分だけ、借入金も少ない優良企業だということです。

インフレの時代は、持っている資産がどんどん値を上げていきましたので、まだよかったのですが、今はデフレの時代ですから、資産は時と共に、どんどん値を下げていきます。

さらに、資産が多いと言うことは、それだけ借金も多いということですから、それに金利もつきますし、担保はどんどん価値を下げますから、銀行が急に返せと行って来る場合もあります。

つまり、「直接利益に結びつかない資産」は、持てば持つほど、資産価値の目減りや、それにともなう借入金利がかさみ、果てには資金繰りにまで悪影響を与えてくるのです。

ですから、究極の目標は、必要最小限の資産で、無借金経営の会社です。これだと、例え不幸にして事業をたたむことになった場合にも、借金がないから、周りに迷惑をかけない会社でいられるわけです。

経営者が、最もやってはならない事は、「会社を倒産させること」です。この最悪の事態に至っても、周りへの影響を最小限に留める配慮をするのも、名経営者たる条件の一つではないでしょうか?

◆それでは具体的にはどの程度を目指すべきなのか?
そうはいっても、直ぐに会社のB/Sを大幅に改善することもできませんから、一般的に目指すべき程度を考えてみましょう。

もういちど整理してみると、良い会社の条件とは、「出来るだけ少ない資産」で、「出来るだけ大きな利益をだす」会社です。ですから、例えば分かりやすい指数として、自己資本比率(%)×総資本利益率(%)で考えてみてください。
この数字が300以上有ればOK。400以上有れば、優良企業という風にお考え下さい。

例えば、自己資本比率が30%、総資本利益率が10%ある会社は、30×10=300ですから、一応合格ラインに達している訳です。

この総資本利益率が10%というのは、どの程度の数字かというと、仮に、売上高利益率が5%とすると、売上高が総資産の2倍ないと、この総資産利益率が10%とはなりません。

簡単な目安として、自己資本比率30%、売上高利益率5%、総資産回転率200%を達成すれば、合格ラインの300を達成することができます。

是非、皆さんの会社に当てはめて、計算してみて下さい。
如何でしたか、この水準に大きく外れている会社は、利益率が低すぎるか、不要な資産を持ち過ぎなのか、売上高が少なすぎるか・・・何らかの問題を抱えているということになるわけです。

◆持たざる経営を実現しましょう!

色々言って来ましたが、効率よく利益を出し、このデフレ時代を生き抜いていく、良い会社を目指すキーワードは、不要な資産を一切持たない、「持たざる経営」です。

米国マイクロソフト社のビルゲイツは、自分の片腕であるP.アレンと、S.パルマーの2人が自分にとって一番の財産だと言っています。

武田信玄も、「人は城、人は石垣、人は堀・・・」と、城や石垣(固定資産)より、人財の大切さを語っております。

そうです。「企業は人なり」なのです。優秀な人材はデフレになっても価値が下がりません!
デフレ時代を、「持たざる経営」と、「人財重視の経営」で乗り切っていきましょう。

 

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