キャッシュフロー入門編4・・・企業活動で必要な資金と銀行借入(短期資金:後編2)

皆様いかがお過ごしですか?
先日、地元のお祭りで、おみこしを担ぎました。夕方からスタートし、町中を練り歩いた後、深夜に山の上の神社まで、石段を上がって行くのですが、いやはや疲れました・・・
普段の運動不足の影響か、1週間以上筋肉痛がとれませんでした。 (T_T)
やっぱり年かなあ・・・?体力作りの必要性を痛感しながらも、特に何かを始めようという気は全く無い(無いんかいっ!)、経営支援室の久保がお届けいたしております、経営改善講座です。
さて、今日もはりきって参りましょう・・・

先週は、売掛債権を減らして、資金繰りをよくする方法を考えてみました。次は、在庫を減らす方法と、買掛債務を増やすことによって、資金繰りをよくする方法について、考えてみましょう。

◆在庫を減らして、資金繰りを楽にしよう・・・

もう、今まで考えてきて、だいぶんおわかり頂けたと思いますが、とにかく、会社の中に、在庫商品やら、原材料やら、仕掛品やら・・・物が多ければ多いほど、資金繰りは苦しくなっているのです。

◆まずは、在庫が多い場合のデメリットを、あげてみましょう・・・

1.不良在庫になる恐れがあります。(衣料品なら、季節を過ぎれば屑ですね!食品も同様、とにかく残り物で価値が上がるものは、ほとんどないはずです。)

2.営業社員が売れ残りを隠す場所にもなります。

3.保管スペースや、管理コストがかかります。

4.そして、何よりもこの分だけ、資金が余分にかかり、尚かつ金利までついてきます。

如何ですか、いかに在庫を少なくすることが重要かが、おわかり頂けたと思います。

◆それでは、在庫を減らすための、チェックポイントを、以下に述べてみます。

・無在庫の販売システムを構築する。
なんといっても理想の姿はこれです。分かりやすく言うと、注文が来てから発注する売り方です。別の表現で言うと、必要な分を、必要な時期に発注する形態です。業種によっては、「こんな物、出来るわけないよ!」とおっしゃるかも分かりませんが、少しでも可能性のある方は、出来る範囲で、やってみて下さい。とにかく、やってみようとして下さい。品切れで、倒産した会社は絶対にありません。過剰在庫で倒産した会社はたくさんあります。

・安くなるからといって、多めに買わない。
本当によくある話なのですが、商品でも材料でも、たくさん買うと安くなるからといって多めに発注し、安く仕入れたみたいな気になっている場合が、よく見受けられます。
実体は、余った分を破棄すると、かえってかなり高くついている場合がよくあります。絶対に必要で有ればともかく、仕入は、「必要な分を、必要な時期に(適時適量)」ということを、徹底して下さい。

※トヨタでは、「ジャスト・イン・タイム」を徹底的に追求しています。つまり、適時適量を徹底するあまりに、部品の納入業者は、工場へ届ける際に、早く着きすぎると、指定の時間が来るまで、工場の外で待っているそうです。それくらい、各部署での在庫の削減(在庫0を目指す事)を徹底している訳ですね・・・

・とにかく過去のデータと今後の仕掛けによる売上を、細かく予測する。
例えば、飲食業などで、何年もやっているならば、どの時期(何月の月のどのあたりの何曜日)で、天候や気温がどうであれば、客がどの位来て、どんな物を多く注文するかということは、ある程度、分かるはずですよね。(ちゃんとデータを取っておればの話ですが・・・)
ですから、過去のデータや、今後の販売戦略をもとに、出来るだけ売上内容を細かく予測し、それに合わせた仕入れ計画を立てて下さい。目的は品切れせずに、最低限の仕入をすることです。とにかく、売れ残りは全て利益率を直撃します。
計画的な仕入れが、ロスを無くし、資金繰りを良くし、利益率も上げるのだと言うことを、今一度、強く意識して下さい。「安く仕入れる」よりも、「必要な分だけ必要なときに仕入れる」が大切かもしれません。

◆とにかく、ものをなくして、キャッシュフローをよくしましょう。

いかがですか、とにかく、もう一度、あなたの会社の中をじっくりと、見直して下さい。
商品にせよ、半製品にせよ、仕掛品にせよ、原材料にせよ、どんなところにでも物が留まっているということは、それだけ資金繰りを圧迫しているのです。
そういう目で、徹底的に、合理化と、キャッシュフローの改善を図って下さいね。

( 続 く ・・・)

※次回は、買掛債務を増やして、資金繰りを楽にする方法を考えてみましょう・・・

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