経営計画の実行性を高めるポイント「一体感」について考えてみる「12. 「一体感」とは何から生まれるのでしょうか(まとめ2)」を追加しました

前回は、「一体感」が会社風土、文化を基礎や下地として生まれてきていること、その為、一体感を高めることは、難しく、時間と手間が掛かることをお話しました。

 

今回は、それをもとに、説明してきました5つのポイントを再度整理し、まとめとさせて頂きます。

 

「(3)キーマンを明確にしたこと」のポイントを整理してみます。そのことは、今後会社にとってどのような人材が、重要なのかというメッセージが明確になります。少なくとも、幹部、従業員の中に、社長(会社)が求める幹部像、つまり評価されるためには、どうあるべきかという基準が生まれます。

 

「(5)かつて信頼していた部長の定年退職と新卒3名の採用」も、同様の効果が期待できると思います。

 

また、「(4)取締役の動機付け」の事例では、守るべきものは守り、但し変えるものは変えると、うまく伝えていくことの必要性が理解できると思います。守るべきものをきちんと明確にせずに、古参の取締役に接するからこそ、なかなか動きださないことが分かります。これも、うまく使うことで、取締役の現経営者の考え方を理解しよう、そしてそれを社内に伝えていこうという動機付けになると思います。

あと、(1)や(2)は比較的わかりやすいメッセージが伝わります。事例でもそうですが、このことは継続していくことに意味があると思います。

 

5つのポイントは、実践で効果を得るためには、時間も手間がかかります。その理由は、一体感だけを作るというだけでなく、根底となっている、企業風土や文化を少しずつ、現経営者の考え方のものと変えていくものであるからです。

また、すべての企業に5つのポイントが当てはまるわけではありません。また、5つだけとは限りません。前回お話をした、企業風土や文化をきちんと感じとった上で、考え、実践していくことが重要だと思います。

経営者の方自ら、様々な業務の先頭に立つことは必要だと思います。ただし、今回5つのポイントで共通しているのは、自ら業務の先頭に立ち、手本を示すというものではありません。取締役、幹部、従業員の方に、経営者自身の考え方や求めていることを気づいてもらうというものです。

 

これを行っていくには、繰り返しになりますが、企業風土や文化をまず感じ取った上で、取締役や幹部、従業員に、経営者の考え、求めていることを、気づかせること、今回お話してきたような5つのポイント(これに限られるわけではありません)を、忍耐強く継続していくことだと思います。

 

私は、このことは、先頭に立って手本を見せるということよりも、経営者の方にとって重要な仕事の一つであるのではないかと、感じています。

 

みどり合同経営 コンサルティング部門
コンサルタント 澤田 兼一郎
執筆者ご紹介 → http://ct.mgrp.jp/staff/sawada/

 

前回までのレポートはこちらをご覧ください → http://ct.mgrp.jp/column/c02/