経営計画の実行性を高めるポイント「一体感」について考えてみる「4. 「一体感」の必要性と作るポイント(3)」を追加しました

今回から、「(3)キーマンを明確にしたこと(実弟の部長とキーマンの新部署の部長への登用)」について考えていきたいと思います。

中小企業様には、キーマンと言われる幹部もしく従業員の方が必ずいらっしゃいます。キーマンとは、得意先や取引先、そして従業員の方からも一目おかれ信頼され、企業にとっての強みとなる基盤を作っている方で、時には経営者と衝突してでも、会社を引っ張っていこうとする人だと思います。

 

その資質としては、努力家で、知恵があり、また常にフェアーな視点に立って、人の意見を聞く姿勢を持ち、その上で、筋を通す精神的な強さを有していることではないかと、個人的には感じています。

 

実は、キーマンの方が、本当にキーマンとして働いていらっしゃるのかというと、そうではない場合が結構あります。先の事例の企業様でもそうですが、もともと経営者の方が認めていたキーマンと、私どもの目から見たキーマンとは違いました。

 

理由は、全社的な目線、経営者の視点で経営について考えているのか、いないのかだと思います。

 

 

事例企業の経営者の方も含めて、多くの中小企業の経営者の方が、日常の営業や管理業務等に忙殺され、きちんと全社的な目線、経営者の視点で物事を考える余裕、時間を失っています。そのことで、本来なら幹部の方が自ら考え、営業等の業務に責任感を持って動くという、自発的な行動が消されている可能性もあります。

 

そうなると、経営者の方も、多忙で効率よく仕事を進めることを優先し、指示したことをただやってくれる、受身の方をキーマンとして見てしまう可能性が出てくると思います。

 

しかし、全社的な目線、経営者の視点で考えると、経営者の方一人では、すべての仕事をこなすことは限界があり、いかに幹部の方に仕事を任せ、自発的に考え、動いて頂くのかということが重要だということが分かって頂けると思います。

 

私どもが支援を実際にスタートすると、まずはほとんどの幹部及び従業員の方へ、個別にお話をお伺いすることにしています。一人一時間程度です。そこから、ヒアリングした内容をメモに落とし、検討し、再度話を聞かせて頂く方を決定していきます。

 

その作業は、キーマンを見つけだすことに加え、強みや弱み、問題点や課題をきちんと確認する為に行うことにしています。そして、それをもとに、経営者の方と、経営者の考える方向性や目標に照らて、何が課題で、何をすべきかを議論していきます。

ここで、経営者の考えるキーマンと私どもが現時点で考えているキーマンとを明らかにします。一致しない場合は、もう少し時間をかけてすり合わせをしていくことになります。

 

重要なことは、経営者の方が、今後、キーマンをうまく活用していくことで、経営者の方自身が納得した上で、キーマンを認めていくことだと思います。

 

それでは、次回、具体的にどのように時間をかけて、経営者の方とすり合わせていくのかを、考えていくことにします。

 

みどり合同経営 コンサルティング部門
コンサルタント 澤田 兼一郎
執筆者ご紹介 → http://ct.mgrp.jp/staff/sawada/

 

前回までのレポートはこちらをご覧ください → http://ct.mgrp.jp/column/c02/