これは使える!ちょっと工夫”業務改善への道” 「工事原価管理と支払業務、経理業務のムダ(7)」を追加しました

専門工事業D社の総務部長から「支払業務の効率化」について相談があり、色々な検討をおこなった結果、建設業特有の工事原価管理に対応した専用のソフトウェア(以下ソフトウェア)の導入を決定しました。

 

今回は、実際にソフトウェアのデモンストレーション(以下デモ)を見て検討した際のお話を致します。

 

【8ソフトウェア選定のポイント その4 ・・・デモ編・・・】

 

総務部長は早速最終候補として挙がった3つのソフトウェアメーカーに連絡し、デモを実施してくれるように依頼しました。

 

D社からデモに参加したのは、総務部長、工務部長、と他3名です。総務部長と工務部長が相談し、現在支払い業務を担当しているベテランの遠藤さん、若手でPC操作が得意な中村さん、工務部からは優秀な若手で少し大人しい本田君、といったメンバーをデモに参加させることにしました。

 

総務部長は、事前に工事原価管理ソフトウェア導入を決めたこれまでの経緯について、参加メンバーに説明を行いました。また、それぞれのソフトウェアについてパンフレット、ホームページを確認して頂き、各自確認したい事項をまとめておくように指示を出しました。

 

私からは、前回お話したソフトウェア導入ポイント3つ、

 

(1)本当に自社の業務に合ったソフトか?
(2)信用できるソフトメーカーか?導入時の指導、サポート体制がしっかりしているか?
(3)将来的な拡張性、柔軟性、他システムとうまく連動できるのか?

 

を前提に、使い勝手や自分たちの日常業務を当てはめる事ができるのかなどを中心に確認して欲しいとお願いしました。

 

ソフトウェアメーカーの方には、事前にD社がソフトウェアを導入する目的や利用場面について説明を行い、出来る限りデモのストーリーをD社に近づけて頂けるようにお願いしました。

 

準備の甲斐もあり、参加メンバーからは具体的な突っ込んだ質問が出ていました。よくあることなのですが、ソフトウェアメーカーにデモをお願いすると、一般的な企業を想定し、よい機能ばかりを強調した説明になってしまうことがありますので、事前に自社の導入目的(解決したいこと)、利用場面をよくわかって頂いた上でデモをしてもらえると効果的だと思います。

現在支払い業務を担当している遠藤さんからは、自分の業務に照らし合わせて、違っているところをどのように対応したら良いかといった具体的な質問やPC操作が得意な中村さんからは、「データをEXCELに落として利用できないか?」といった質問をされていました。

 

意外だったのは、いつもはおとなしい本田君が積極的に質問していたことです。実行予算の入力の方法や書式について他社ではどのように利用しているのかといった質問をされていました。3社のデモも無事終了し参加メンバーの意外な一面も見る事ができました。

 

次回は、今回お伝えできなかった具体的な選定についてお話したいと思います。

 

みどり合同経営 コンサルティング部門
コンサルタント 山下晶子
執筆者ご紹介 → http://ct.mgrp.jp/staff/yamashita/

 

前回までのレポートはこちらをご覧ください → http://ct.mgrp.jp/column/c01/