2007/08/09

2007年8月9日号

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                ● みどり合同経営 Information ●
                 -コンサルティング・M&A部門-
                     2007年8月9日号
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▼ INDEX
■中小製造業の原価管理のポイント <犬飼あゆみ>
■ティータイム【どうされていますか、迷惑メール対策(2)】 <河瀬貴光>
■建設業のM&A~企業評価、法務、会計、税務 <原田裕子>
■お問い合わせ先 <メール配信の中止及び設定の変更等>
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◆ 中小製造業の原価管理のポイント
10. コスト低減の着眼点

この「中小製造業の原価管理のポイント」も今回で最終回となりました。これまでお付き合いいただいた皆様、本当にありがとうございました。

 

前回は、コスト低減策の取り掛かりとして、アイデアを出しやすくするための「全バラ検証」という手法についてお話しました。ここでは、全従業員が全バラされた競合製品の比較から、コスト低減案を見つけるというものでしたが、今回はその着眼点について最後にお話したいと思います。

 

自社と他社の製品を全部バラバラにしたものを見せて、「アイデアを出してよ」といっても、どれだけのアイデアが出てくるかは、日ごろからのコスト改善の着眼点についての意識や教育にかかっていると思います。そこで、まずは会社として、「こういうところに気をつけて検証して下さいね」という指針というか、ポイントを示す必要があります。これは、製品種類によって、企業で独自に作っていく必要があるとは思いますが、自動車や家電等の組立メーカーなどではよく、「8分類30項目」とか、「8分類38項目」といっています。ここではこの8分類について、その考え方を見ていきましょう。

 

(1)材料: 歩留りを良くできないか、板厚・肉厚を下げて使用量を減らせないか、リサイクル材・廃材を使用できないか。
(2)加工設備ライン: 一体成形できないか、同時加工できないか、新技術を適用できないか。
(3)金型治具: メンテナンスにより、金型寿命をアップできないか。金型の材質を変えて安くできないか。
(4)エネルギー: 省エネの工夫がされているか。無駄な照明や切削油はないか。
(5)物流: 運搬時の容器・荷姿は良いか、自社でできるものを外作して、余分な物流費がかかっていないか。
(6)品質: 不良品の手直しが多くないか、検査方法・基準は良いか、過剰品質になっていないか。
(7)機能: お客様にとっていらない機能がついていないか。
(8)買い方: 競合見積りを取っているか、海外購入は可能か。

 

8分類30項目とか38項目と言われるように、それぞれの大分類について、更に細かいポイントを検証していくことになります。主要部品について、開発段階からこれらの着眼点に沿って検証していくことで、ムリムダのない設計が可能となるのです。まずは、これらの着眼点を自社に合わせて改良し、意思統一を図ることがスタートです。

 

これまで、原価企画という活動の中で、目標値を設定し、その目標に対してどのように活動するかについてお話してきましたが、先日、ある大先生から、「PID制御の考え方を応用すると原価管理がもっと面白くなる」というご意見をいただきました。最後に、このことについて少し考えてみたいと思います。

 

PID制御というのは、家電製品や自動車の制御などで多く利用されている方法で、目標と実際の違い(偏差)を、速く小さくするためにどのように判断し、行動していけば良いかを決める制御方法です。現在値と目標値の偏差に比例した出力を出す比例動作(P動作)と、その偏差の積分に比例する出力を出す積分動作(I動作)と、偏差の微分に比例した出力を出す微分動作(D動作)の和を出力し、目標値に向かって制御していきます。

 

目標との差が大きい場合には、D要素の出力が大きくなり、目標に近づくにつれ、偏差に比例した出力を出すP要素を出力、最後に目標と実際が同じになった時点では、それまでの累積値を持っているI要素を出力し、目標に合わせた状態に維持するという仕組みです。こう書くと難しいのですが、人間が「何かをどうにかしたい」という目標に対して、現状、経験、予測の3つを組み合わせてものごとを判断することにより、色々なことをうまく処理しているのと似ています。このPID(現状、経験、予測)を適切に重み付けできる人は適切な判断ができる人ということになります。

 

このPID制御の考え方を、組織において原価管理を実行することに応用するとどうでしょうか。原価企画で設定する目標は通常、現状のコスト1/2や30%ダウンなどです。この、目標と実際の差が大きい段階では、D要素に当たる活動、つまり設計段階からの大幅なVE活動を実施し、そして偏差が小さくなってきてからは、通常の(狭義の)原価管理の活動を実施していきます。これらの活動の仕組みを電化製品におけるPID制御のように自動的に対処できるほどに会社に根付かせることができれば、目標と実際コストとの乖離をなくし、コスト競争力のある会社が実現できるのではないでしょうか。

 

最後になりますが、原価企画についての成功のポイントは、「楽しく継続できる」ことが、とても重要だと思います。そのためには、とりわけ中小企業では、トップ自らが先頭に立って、目標の達成にチャレンジし、改善成果を評価することや、従業員へのコスト教育に対する姿勢が重要ではないかと思います。

 

コンサルティング部門
中小企業診断士 犬飼あゆみ
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◆ ティータイム
「どうされていますか、迷惑メール対策(2)」

前回、迷惑メールはどんなものであるか、また迷惑メールの対処について記載させていただきました。簡単に復習しておきますと、・迷惑メールとは受け取りたくないメール・受信した場合には基本的に無視すること、他者に転送しないこと

 

今回はパソコンやインターネットプロバイダでの対処方法を記載させていただきます。
1.パソコンによる対策
(1)コンピュータウイルス対策ソフトによる対策
コンピュータウイルス対策ソフトでは受信メールのチェックを行います。受信時にメールの送信者や内容をチェックし迷惑メールの判断を行います。メールの件名に「迷惑メール」などと表示されるソフトが多いようです。実際には、迷惑メールを保存するフォルダを作成し、メールの振り分けルールを作成します。件名に「迷惑メール」が含まれる場合に作成した迷惑メールフォルダに振り分ける様に設定します。
ソースネクスト、ウイルスセキュリティZERO、トレンドマイクロ、ウイルスバスター2007、マカフィー、インターネットセキュリティスイートなど

 

(2)メールソフトによる対策
迷惑メールを受信した際にメールの内容や送信者をチェックし迷惑メールの振り分けを行います。自動的に「迷惑メール」などといったフォルダに振り分けられます。
メールソフト Thunderbird、マイクロソフト Outlook2
007など

 

(3)メールソフトに付加する対策
OutlookExpressやBecky!などに追加しメールを振り分けます。(2)とほぼ同じ動作となります。

 

2.インターネットプロバイダによる対策
迷惑メールフィルタ機能
プロバイダのサービスで迷惑メールのチェック機能があります。(有料・無料あり)プロバイダがメールを受信した段階で段階で件名に「迷惑メール」などと付加します。通常は申し込みが必要です。Nifty、OCN、biglobe、dionなど大手プロバイダは対応しています。(2006年度プロバイダシェア上位を確認)

テスト範囲は限られますが、次回に迷惑メール振り分けのテストを行った結果と迷惑メール判断の仕組みを紹介させていただきます。

 

コンサルティング部門
情報テクノロジーミディエーター 河瀬貴光
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◆ 建設業のM&A~企業評価、法務、会計、税務
「建設業のM&A~企業評価(9)」

前回は、マルチプル法の基本的な考え方についてお話し、いくつか代表的なマルチプルをご紹介しました。今回は、まず前回ご紹介したEV/EBITDA倍率を使って株主価値を計算してみようと思います。次に、マルチプル法を実際に使う場合にどんな点に気をつけたらよいのか考えてみましょう。

それでは、ここで前回の内容をちょっと思い出していただきましょう。
EV/EBITDA倍率は、株式時価総額+有利子負債額で計算される企業価値(EV)がEBITDA(税引前利息支払前償却前利益)の何倍かを表すものでした。

 

いま仮に、税引前利益が1億円、減価償却費が4千万円、支払利息が1千万円の会社があるとします。この会社のM&Aでの売買価格の目安はいくらと考えることができるでしょうか。EBITDAは1億5千万円(=1億円+4千万円+1千万円)ですから、類似する上場会社のEV/EBITDA倍率を5とすると、企業価値は、1億5千万円×5倍=7億5千万円となります。ここから、有利子負債額を1億円とすると、株主価値は、6億5千万円(=7億5千万円-1億円)と簡単に推定することができます。

 

マルチプル法は、株式市場で実際に売買された株価を使うので客観性が高いこと、他の方法と比べて計算が簡単であること、計算に使う財務データもインターネットなどを利用すれば比較的入手しやすいものであること、などの理由から実務でよく使われている評価方法です。

 

しかし、マルチプル法のこれらの利点は見方をかえると弱点にもなります。たとえば利益やキャッシュフローについて、現状のトレンドがずっと続くといった大胆な前提を置いて計算を単純化しているので、事業の環境(外部あるいは内部の)が大きく変わりそうな場合には使えません。また、類似会社の株価には、投資家の期待収益率や利益成長率、リスクなどに対する評価が反映されていると考え、この株価を基に計算した評価倍率をそのまま評価しようとする会社にあてはめて計算します。つまり、評価しようとする会社を類似会社の株価によって相対的に評価しているわけですが、はたしてその水準が正しいのかどうかは確かめられません。

 

このようにみてくると、マルチプル法が使えるのは、類似会社および評価しようとする会社の企業業績が安定していて、かつ株式市場も安定した状態のときに限られます。ですが、常にそのような状況であるとは限りません。こうした弱点を補う方法としては、評価倍率について、PER、PCFR、PBRなど複数の指標を使って比較してみる、あるいは現時点の数値でなく過去の平均値を使うなどの方法が考えられます。

 

ここで、建設業の場合について考えてみましょう。前述したように、マルチプル法では現状の利益やキャッシュフローのトレンドがずっと続くものと仮定しています。しかし、建設業界では今後、財政再建に向け公共工事の削減傾向が続き、また継続的な人口減少により民間工事も減少すると予想され、中期的にみると建設市場全体は縮小し続けていくと考えられます。このような市場環境のもとで中堅以下の建設業の会社の中には、生き残るために既存の特定の分野に特化するとか、あるいは新分野に進出するといった行動をとる会社がでてくるでしょう。こうした場合には会社の収益構造が大きく変わってきます。このようなケースではマルチプル法は使えないので、DCF法のように会社独自の業績予測をして評価を行う必要があるでしょう。

 

マルチプル法を適用するうえでのその他の留意点としては、類似会社の選び方があります。類似会社について、普通は複数の会社を選んで各会社の評価倍率の平均値をとります。では、いくつかの類似会社はどのように選ぶべきでしょうか。まず考えるのは、会社の製品やサービスの内容が似ているということでしょう。その他には、売上、利益、純資産の規模や従業員数なども検討する必要があると思います。また、成長性などもポイントになるかもしれません。すべてが似ている会社を見つけるのは不可能ですから、普通はどこかにポイントを置いて選ぶことになると思いますが、なぜ類似会社としてその会社を選んだかという理由をきちんと説明できる必要があります。

 

建設業の場合、類似会社をどのように選んだらよいでしょう。評価しようとする会社が、建築中心か土木中心か、公共工事中心か民間工事中心か、同じ建築でも住宅か住宅以外かなどで選ぶ会社が変わってきます。また、同じ住宅でも在来工法のところもあれば2×4(ツーバイフォー)の会社もあります。さらに、自社で施工している会社がある一方で設計管理のみ行っている会社もありますから、この辺も選ぶうえで考慮する必要があるでしょう。建設業の場合、特に公共工事中心の会社では、地域によって入札方法に違いがあることもありますから、地域性も大きく影響する点です。上場会社は中央に集中しているため、地方の建設業の場合には類似会社を見つけることが難しいかもしれません。

 

読者の方が実際に、ある会社についてマルチプル法の計算をしてみようと思われた場合は、インターネットや「会社四季報」、「日経会社情報」などを利用して類似会社のデータを集めてみるとよいでしょう。

 

マルチプル法はあくまで簡便的な方法ですからこの方法のみで評価することはありません。実務では、マルチプル法による計算で大まかな方向性を出しておいて次にDCF法の評価につなげるというように、DCF法とマルチプル法を併用する場合が多いようです。

 

企業評価については、今回が最終回となります。最後までお読みいただきありがとうございました。次回からは、「M&Aの法務」というテーマでお届けしますので、またお付き合いいただければ幸いです。

 

M&A・企業組織再編部門
公認会計士 原田裕子
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小学校の夏休みの宿題で自由課題があるのですが、子供がテーマを決めて調べて、まとめようとしています。「自分が調べて分かったことを、お友達に分かるように書こう」としていますが、悪戦苦闘しているようです。仕事などでも、形のないものから、成果物(モノ、資料など・・・)を作る楽しさは、やり遂げた時の達成感がたまらないですよね。子供にも、成果物の良し悪しよりも、達成感などを体験して欲しいと思っています。(編)
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