コラム 「製造業の社内活性化のプロセス  ~脱社長依存体質!~」 第9回 A社のPJミーティングより3 (現場での問題意識について)

皆様こんにちは。

前回は、ミーティング等でお客様に関する情報共有を進めるうちに、製造の課長さんたちにも、少しずつ顧客思考が身についてきたことをお話しました。そうすると、自分たちの日常業務である製造やその他業務においての意識も変わってきます。

 

たとえば、納期に対する意識は、もちろん、これまでもなかったわけではありませんが、直接お客様から連絡が入るのは自分たちではありませんでしたから、社長に「ちょっと遅れそうです」と言って済ませていたところがありました。

 

それがお客様と直接のやり取りを行うようになって、その切迫感を肌で感じるようになり、「このままではまずい!」という意識につながりました。

そこで、例えば、機械設備ごとの生産計画の進捗状況であるとか、不良率がどうなっているか、機械の故障がどれだけ発生しているかなど、納期の遅れに影響するような様々な事象について、自分たちで手探りで管理資料を作成していくことになりました。

 

最近では、そもそもの生産計画の立て方が問題になりました。お客様の納期に合わせて、生産計画を策定しているため、月、週の生産量にムラができ、生産性が上がらないというのが、かねてからネックになっていました。

 

そこで、3ヶ月先の受注見込みを見据えた生産計画を策定し、生産の平準化を図ろうと話し合いました。

 

もちろん、顧客の要望に合わせて、小ロットでタイムリーに生産していくことも重要です。しかし、顧客のうち、T社やF社などは部品が固定化されており、仕様変更もほとんどないため、部分的には生産の平準化が図れると考えました。

前回お話させていただいたような、お客様とのより密接な関係が築けていけば、さらに予測の精度は高くなっていくものと考えています。

 

このように、プロジェクトメンバーでは、様々な課題を取り上げ、1つひとつ手探りではありますが、改善策の検討や管理資料の作成を行っています。

それを毎週行われるミーティングで段階的に見直しを図っています。

 

このような取組をやっていった結果、会社全体としてどのような数字になっているのか、自然と気になってきます。自分たちの頑張りが、会社全体の数字にどのように反映されているのか、頑張れば頑張るほど、気になるものですよね。

次回は、会社の業績(売上や利益)管理について、お話していきたいと思います。

 

みどり合同経営 コンサルティング部門 副部長
シニアコンサルタント 澤田 兼一郎
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みどり合同経営 コンサルティング部門
中小企業診断士 犬飼あゆみ
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