2011/10/20

「建設業者と漁業者の連携による伊万里湾周辺漁場の環境保全 ~長崎県 その2」

皆様こんにちは。
8月の特別版にて、建設業者と漁業者の連携による伊万里湾周辺漁場の環境保全についてご紹介させていただいております。

前回は、本事業の特徴として、伊万里湾は長崎および佐賀の2県にまたがっているため、両県から構成員が集まり、広範囲の連携となっていることをご紹介しました。そして、もう1つ付け加えたい特徴として、「産学官の連携」があります。

 

本事業のメインテーマとして、新工法による海底有害物処理の試行的実施(施工)があります。ここで試験的に使用された「密閉吸引式海底有害物処理工法」の開発には、九州大学、長崎大学、愛媛大学など複数の大学が参画し、海域工事を専門とする建設会社と共同で行われました。

 

そこで開発された新工法の特長は、「10cmの薄層浚渫(浚渫土砂の減容化)」、「密閉式のため2次拡散を防ぐ(汚濁対策費が不要)」、「スピード施工(コストダウン)」など、従来の浚渫工法に比べて様々な改善が図られ、第1回水産基盤技術開発賞(財団法人漁港漁場漁村技術研究所・社団法人水産土木建設技術センター主催)の優秀賞を受賞しました。

 

本事業では、この画期的な工法を利用した「公開施工」が行われ、底質除去後の観測、分析による効果の確認が行われました。その結果や有効性については、今後WEB等で紹介されていくと思いますが、漁業者のコストと、2次汚染等の環境リスクの低減が図られ、海域環境改善のための適切な工法が提案された事例になったと考えています。

 

お恥ずかしながら、私は今回の取組みを通して初めて知ったのですが、日本の漁獲高はピークの1980年頃に比べて約半減、この10年でも約20%減少しているそうです。これはもちろん、日本人の魚食離れも影響しているとは思いますが、全国的な海域環境の悪化も深刻だということが想像されます。つまり、本事業の取組み成果は、今後、全国的に大きな需要があるものと思われます。

 

これは、海域工事を専門とする建設業者の雇用の維持・確保につながると同時に、海域環境の改善により、全国の漁業者の元気回復にもつながるのではと、期待が膨らむ事例だと思います。

 

みどり合同経営 コンサルティング部門
中小企業診断士 犬飼あゆみ
執筆者ご紹介 → http://ct.mgrp.jp/staff/inukai/

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