経営会議にて管理資料を検討(その1)【今からでも遅くない、本物の会議をやろう!建設業、管理、組織活性化・第10回】

設備工事業を営んでいるA社は、経営改善をスピードアップするために経営会議の内容を見直し、経営幹部でもある各部門長の意識改革を進めることとしました。
まずは会議で使用する管理資料を「付加価値」を意識したものに変更することにしました。
今回は、その管理資料を活用した初めての経営会議についてお話致します。

新しい管理資料を使用した経営会議①

経営会議が始まり、前月の実績報告を新しい管理資料を使って藤村総務部長が行います。

藤村総務部長:「今回より、前月の実績について報告していきます。先月までは、営業からの受注高報告が主な数値報告であり、会社全体の利益については、年1回の決算後にご報告していただけでした。先月より月次試算表が作成できるようになりましたので、それを元に実績と予算、前年実績との比較についても管理資料にてご報告できるようになりました。」

藤村総務部長の管理資料についての説明は続きます(管理資料、付加価値の詳しい説明は、前々回前回にてお話いたしましたので、ご参照ください)。

私:「今回から、予算対比の資料をご確認頂くようになりましたが、どの項目が一番気になりますか?」

楠営業部長:「完成工事高(売上)でしょう。営業部では、社長より月間受注目標1億円の達成を指示されていますし・・・。売上が確保できなければ、何も始まりませんし。」

水上専務:「売上総利益(粗利)ですかね。1本毎の工事利益を積み上げたものですし、これで会社の業績が決まります。」

私:「今後は付加価値を重要な指標として見て頂きたいのです。先ほど藤村総務部長から付加価値についての説明がありましたが、経費を変動費と固定費に分解し、売上から変動費を差し引くと付加価値が把握できます。変動費は売上が0の時は0であり、売上に比例して発生する経費です。また、固定費は売上が0、言いかえれば仕事が無くても会社を維持するためには必要な経費です。ですから、最低でも固定費を賄う付加価値は確保しなければ会社は維持できません。固定費を賄うためには、どれだけの付加価値を確保する必要があるのか、ひいてはどれだけの工事を受注しなければならないかを判断する基準となります。」

楠営業部長:「営業部で付加価値を目標にするというのはどのようなことなのか?」

次回につづく。

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