コラム 管理会計は大企業だけのツールではない! ~気付く力を養う会計~  第2回:<ステージ0>月次の実績を正確に把握できない企業(1)

皆様、こんにちは。
前回では会社の状況やステージに応じて、導入する「管理会計」を上手に変えていくべきだ、とお話をさせていただきました。今回からは実際に会社の状況に応じた課題や、また、課題ごとにどのような会計上の管理が必要なのかを考えて行きたいと思います。
今回は「<ステージ0>月次の実績を正確に把握できない企業」について考えて行きたいと思います。
月次の実績を正確に把握できない企業の代表例としては、社内で経理を行っていない企業かそれに近い企業ということになります。
正確な実績を把握できない企業にとっての管理会計は、正確な実績が把握できるようになった次の段階で導入を考えるべきもの・・・としての位置付けだと思われます(ですからステージ0にしました)。
正確な実績を把握しなければ、原因究明のための細かな分析はできませんし、事業別、地域別、商品・製品別等々の儲けがどうなっているのかも確認することはできません。
しかし、正確な実績が把握できなければ何の管理も出来ないという訳ではありません。実際には、それをやることによって問題点に対する「あたり=見当」をつけることができるようになるなどのプラス要素がかなりあるのです。
その管理方法というのは、シンプルなものですが、必ずかかる経費(人件費、家賃や水道光熱費等々)を集計し、それを賄うためにはどれだけの売上を上げていけば良いのかということを検証して、それを日々の目標として落とし込み、その達成度合いを毎日確認していくというものです。経費の見込みが正しく、
かつ、売上が達成できれば、必ず目標利益を達成できますし、また、売上が達成できているのに目標利益が達成できないのであれば、経費の見込みが甘かったということになります。その繰り返しで精度を高めていくことになります。
もちろん、これと並行して正確な実績の把握のための努力をしていくことで、よりタイムリーな会社の状況を把握することが可能となるので、正確な実績を把握していく取り組みも並行して取り組む必要があります。
次回は、正確な実績の把握に関して少しお話させていただきます。
以上
みどり合同経営 コンサルティング部門 アカウティンググループ
コンサルタント 萬屋博史
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