第3回:<ステージ0>月次の実績を正確に把握できない企業(2)

皆様、こんにちは。
今回は、「正確な実績の把握」というテーマについてお話させていただきたいと思います。
結論から言えば、正確な実績を把握するための特別な方法はなく、全ての取引を正確に記録していくしかありません。
「誰に、何を、何個、いくらで売った」とか、「誰から、何を、何個、いくらで買った」とか、一つ一つの取引を記録して積み上げていくことが「正確な実績を把握」する一番の早道です。
ただし、単純に記録を積み上げていくだけでは何の役にも立たないので、まずは記録の方法を工夫しなければなりません。
例えば、取引先別にまとめて記録することにより請求書の発行漏れや回収漏れを防ぐことが出来たり、仕入先別にまとめて記録することで資金繰りの予測や仕入金額の交渉に役立てたり、商品別にまとめることで過剰に商品を購入することを防いだりと、その内容は会社によって異なりますが、状況把握に役立てるためには何が必要となるかを考えながら記録する内容と記録の仕方を決めていきます。
次に考えなければならないことは、如何にタイムリーに取引の正確な情報を把握するかということです。
これが出来るか否かで経営判断のスピード感が変わってきます。
一般的に、入金に絡む売上に関しては比較的に早い段階で正確な情報を掴むことはできますが、出金に絡む仕入等に関しては請求書が来ないと分からないという話がよく聞かれます。
しかし、現実的には請求書が送られてくるまでの間には、見積を取ったり、発注をしたりなど情報を掴む機会はいくつかあるはずです。
そのような機会を記録につなげていく工夫をすることがタイムリーな状況把握につながってくるのです。
忘れてはならないのは、年に一回の税金を計算するために行う会計と、管理や経営判断のために行う月次・週次・日次の会計とは正確な実績の把握の意味合いが若干違っているということです。
それを踏まえて、取引の記録を積み上げていく仕組みを作っていくことを意識していくことが大切です。
みどり合同経営 コンサルティング部門 アカウティンググループ
コンサルタント 萬屋博史
執筆者ご紹介 → http://ct.mgrp.jp/staff/yorozuya/

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