第4回:<ステージ1>  月次の実績は把握できるが、それにもとづいた管理を行ってない企業(1)

皆様、こんにちは。
今回は<ステージ1>の一回目として、手段として管理会計を使っていくにあたり、最初に決めていかなければならない事項についてお話させていただきます。
実際に正確な実績が把握できるようになって、次に考えるべきことは「思い描いた利益をどうやって出していくか・・・?」ということです。
中小企業であっても人の集まりで成り立っている以上、その人たちの行動が利益につながっています。
よって「思い描いた利益」を出していくためには、「人の行動」を正しい方向に導く必要があります。その手段の一つとして、管理会計は非常に有効です。
管理会計が生まれた(と言われる)きっかけは、「限られた時間内で、如何に労働者にたくさん働いてもらうか」ということだったそうです。
その結果、労働に対する評価基準ができ、その頑張りに対する報奨制度ができました。
現代の会社に適した言い方をすれば、「従業員に会社の目的と一致するモチベーションを与える評価基準を設定」し、「その評価基準に則った報奨を与える」ということです。
「従業員に会社の目的と一致するモチベーションを与える評価基準を設定」とは、会社の目的をより達成しやすくするような評価基準を設定するということです。
例えば、利幅は少ないが売り易いA商品と利幅は多いが売り難いB商品がある場合に、B商品を売る方が高い評価をすることによって、同じ売上であっても会社に残る利益を多くする等が考えられます。
また、「その評価基準に則った報奨を与える」とは、従業員を混乱させないためにも、一旦設定した評価基準で成果を上げた従業員に対して平等に報奨を与えていくということです。
実際に様々な会社を見てきましたが、この管理会計上の「評価基準」の設定が誤っているため従業員のモチベーションが別の方向に向いているケースや、評価基準自体をころころと変えたために従業員が混乱してモチベーションが下がってしまうケースは意外に多くあります。
適切な評価基準が設定されれば、従業員それぞれが会社の目的と合致した行動を自ら考えるため、会社全体として大きな力を発揮することも可能となるのです。
みどり合同経営 コンサルティング部門 アカウティンググループ
コンサルタント 萬屋博史
執筆者ご紹介 → http://ct.mgrp.jp/staff/yorozuya/

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