
9. 企業の生活習慣を変えるその3
バブル時代には飲み歩いたり、ゴルフをしたりして人脈を作り、「私は、あいつをよく知っているから紹介しよう」といってビジネスの輪を広げるスタイルの経営者がけっこう成功していた。今そのようなスタイルの経営者には落ち目になっている人が多い。それに対し、前回紹介したようなアメリカ型の「学ぶ経営者」のほうが元気がいい。なぜだろうか。
●「人脈」とは、単に「その人を知っているか知らないか」ではない
自分が「よく知っている」という理由で人を紹介するという営業スタイルはまだ結構残っている。しかしそういうスタイルは、現在では業績はあがらずに失敗する。
一緒に飲み歩いたり、ゴルフをしたりして「よく知っている」というのは、「気心が知れている」という意味であって、その人が何を専門とし、何が「出来るか出来ないか」を知っているわけではないのだ。
複雑性の高い現在は、どの人が、何が「出来るか出来ないか」を理解した上で、最善の人を「選択」し、紹介しなければ成功しない。一緒に仕事をしたり、一緒に勉強をしたりしなければ、なかなか、その人が何を得意としているかを理解するのは難しい。
「ロータリークラブ」「ライオンズクラブ」「異業種交流会」というのも一時盛んであったが、現在やや停滞気味であり、最近は「経済同友会」や「中小企業家同友会」、「商業会」、「倫理法人会」といった、テーマ別の勉強会や、「盛和塾」や「竹村会」、「藤原塾」といった特定の有名人を囲んでの勉強会が盛んであるのもその顕れかと思う。
●従業員の採用基準も同じ
「出来るか出来ないか」とは、単に「知っているか知らないか」を超えた複雑な問題になっている。勉強をして知識として知っているか知らないかではなく、たくさんの情報をしっかりと理解をした上で、お客様に代わって選択し、お客様に新たな価値の提供をすることがが「出来るか出来ないか」なのだ。
企業は「販売代理」から「購買代理」への変身が重要であるといわれる。従業員の採用基準にしても、「購買代理の」視点が重要だと思う。お客様に代わって選択するのだ。
つまり、その人が「何が出来るか」という場合でも、「その人が、自分たちの組織に対して何が出来るか」ではなく、「お客様に対して何が出来るか」とならなければならない。
入社後も、その人に「何をさせるか」ではなく、「お客様に対してどのような人物をご提供するのか」という観点で「常に育てる」ことが大事だと思う。
前回書いたように、アメリカの企業には社長も年一ヶ月の研修を受けるという風土がある。「常に学ぶ組織」であり、「常に育てる組織」の仕組みがある。日本企業も負けずに「組織の生活習慣を変え」、変身しよう。