
14. 複合化が付加価値を生む その5
愛知県の平成14年の製造品出荷額は、約34兆5000億円と全国1。そしてなんと、26年連続で日本一である。しかも、東海地域には、全国のトップシェアを握る産業が、115品目にも上る。そのなかに本多電子にという会社がある。この会社の技術の複合化の方法がユニークである。
●今東海地方が元気
今東海地方が元気だ。愛知万博や、中部国際空港のオープン、トヨタの海外営業部門の名古屋移転が与えるインパクトは大きい。
経済産業省の工業統計によると、愛知県の平成14年の製造品出荷額は、約34兆5000億円と全国1。4位の大阪(約15兆8000億円)の2倍、7位の東京(約11兆7000億円)の3倍近い。そしてなんと、愛知県の工業製品出荷額は26年連続で日本一である。しかも、東海地域には、全国のトップシェアを握る産業が数多くある。シェア30%以上のものに限定しても、115品目にも上る。
●魚群探知機から工作機械への転進
その一つに、本多電子という会社がある。魚群探知機のメーカーであったが、レジャー用途の製品が大幅に売れ行きが落ちてきた。そこで、魚群探知機の技術を生かして、超音波を使った小型カッターという工作機械の分野や、超音波画像診断装置という医療機器の分野へ進出して成功しているそうだ。
この会社のユニークなところは、新分野へ転出するにあたり、自社の技術に足りないものを、他の技術と複合化するための、パートナーを見つける方法にある。それにより、超音波に関する技術を磨き続け、これまでに300件もの特許を取得。従業員120人ながら、年間45億円余りを売り上げている。
●自社の技術を他の人の技術と複合化するための方法
その方法とは、自社の優れた技術であっても、どんどん学会などで発表する。公開することで共同開発のパートナーを見つけるというものだ。情報を発信した企業に情報が集まるというのがこの会社の考えだ。これまでに100を越える企業や50余りの大学と提携している。
●情報を発信した企業にこそ、情報がまた帰って来る
「当然、真似されるリスクはありますけれども、そうなったらその先の技術を私どもが開発すると。そのくらいの気概を持たないと情報発信はできないと思います。“情報を発信した企業にこそ、情報がまた帰って来るんだ”そういう考えで積極的に情報を発信しております。」と本多電子社長の本多洋介氏は言う。
●ナンバーワン同士が組む
研究部部長の小林和人氏も、「やはりナンバーワンの技術を持った会社、ナンバーワンの技術を持った先生方と組んで、一緒に研究していくということの方が、より早く良いモノができると思っております。」という。
情報発信することで、ナンバーワン同士の技術複合化を目指しているところもすごいといえる。参照:http://www.nhk.or.jp/business21/
●内部および外部の環境を常にスキャンし、検索すること
イノベーションを実行するには、「内部および外部の環境を常にスキャンし、検索して、潜在的なイノベーションに関する兆候を見つけ出すこと(イノベーションの経営学 NTT出版)」がまず第一歩と言われる。その手法として、この会社は、「情報を発信した企業に情報が集まる」という戦略をとっているといえる。(つづく)