
15. 複合化が付加価値を生む その6
イノベーションを実行するには、情報を集めることが第一歩であるが、情報の蓄積の方法について、示唆深い話がある。人間と他の生物との決定的な差異をもたらしたものは、情報の蓄積方法だという。
●生体内の情報蓄積と生体外の情報蓄積
生物は情報を、記憶として脳に蓄積したり、遺伝子情報としてDNAに蓄積する。世代間の記憶の承継方法としては、大昔は「語り部」が語り継いだりしたものだ。これらは「生体内での情報蓄積」である。
しかし、人間は、文字を発明し、石、木、そして紙に記録するようになり、図書館ができ、情報量はものすごく大きいものとなった。現代ではハードディスクやDVDなどのメディアに記録するようになった。これらを「生体外の情報蓄積」といい、人間の文化の極めて大きな部分を形成する。
この生体外の情報蓄積こそが、人間を他の生物と決定的に違った存在へと導いたと言われる。そして、インターネットと言う新たな情報メディアを得て、今後、加速度的な飛躍を迎えようとしている。
●やはりポイントは複合化
これは生体と生体外の蓄積情報との融合を意味する。それによって生体の情報量が飛躍的に増えた。それだけでなく、生体外の蓄積情報を得ることは、生体と他の生体との情報の複合化をもたらした。さらに時間と空間を越えて情報が複合化される。
それがコミュニケーションであり、そこから様々な創造がうまれ文化となる。人間と他の生物との決定的な差異がここに生じた。ポイントは、やはり生体内と生体外の「複合化」にある。
●生体外の情報蓄積と生体の情報系の「つなぎ」部分
これまでは専門家は、どちらかと言うと一生懸命勉強して情報を暗記し、「歩く〜辞典」と言われるタイプが重宝されたが、これだけ情報量が増え、改廃のスピードが速くなると、
追いつかなくなる。暗記一辺倒で「知っている」だけでははだめで、専門家のありかたも変わってきた。情報から何を創造するかが重要になってくる。コンピュータとインターネットで情報量は飛躍的に増加した。それによって、新たなものが創造されるスピードも驚異的に速くなっていている。
ここで重要なのは、生体外の情報蓄積と生体の情報系の「つなぎ」の部分である。インターフェースの部分と言えるかもしれない。いくら情報を蓄積しても、それだけでは何の役にも立たない。生体内の情報に変換されて利用されなければ、何の意味ももたらさない。そのためには「わかり易さ」や「シンプルさ」が重要であり、その意味で、今後「グラフ」や「画像」や「映像」の重要性はますます高まると考える。(つづく)