
17. 複合化が付加価値を生む その8
奥日光に13,000円の宿泊料金のところ、いつでも実質3,000円で泊まれるサービスを提供してみごと再生した温泉旅館があるそうだ。タネを明かせばなるほどというもの。
●新技術が誘引する大企業の業務複合化
米通信・メディア業界の最新のキーワードは「トリプルプレー」だそうだ。一つの企業が、電話、放送、高速ネット接続の三つを同時に割安で実現するワンストップ型サービスが実現されそうだ。その流れのなかで、あの通信業界の巨人、米AT&Tが買収され消える。大企業の業務複合化は、新しい技術の進歩のなかで、とんでもないスピードで進行する。
通信とインターネットの技術の融合も進歩が早い。「スカイプ」という全世界無料のインターネット電話サービス( http://skype.livedoor.com/ )に私も長男に進められて加入した。アメリカでも日本でも、無料で電話が出来て、音質もよい。加入登録もインタ−ネットでダウンロードするだけでその場でできて、すぐに使える。電話をかけるのもクリックするだけで簡単。一般電話にかけるのは有料だが、安い。インターネットと電話が完全融合するのは時間の問題のようだ。
●中小企業は既存のものの組み合わせが重要
大企業とちがって地方の中小企業は、最先端のものを扱うには資金も人材も不足している。しかし、いつも言うように地方中小企業なりのやり方はいくらでもある。
冒頭の、奥日光の温泉旅館はホテル四季彩www.hotel-shikisai.co.jp/ という。足利銀行の倒産の影響を受けたこともあり、日光の旅館ホテルは大変な経営難に陥った。そのとき13,000円の宿泊料金のところ、いつでも実質3,000円で泊まれるサービスを提供して集客に成功し、みごと再生したのだ。
その実質3,000円の秘密は、複合化にある。羽田、成田、東京駅などから日光に来るには片道6,000円かかる。そこで、8人以上ならば無料送迎しますと言うサービスを付けたのだ。有料道路代金負担を差し引いて、一人10,000円引きになる。日光に行きたいと思っている人にとっては、宿泊料金は実質3,000円になる。
無料送迎はどこでもやっていると思うかもしれないが、羽田、成田、東京駅までの遠距離の送迎を明確に打ち出して、わかりやすいチラシまで作成しているところは少ない。わかりやすさがポイントなのだ。また、近場のお客様が同じところにリピートする時代ではなく、いかに広範囲からのお客様に来てもらうかもポイントである。
●ウェルカムケーキでの複合化
ホテル四季彩は、最初ホテルに着いたときのウェルカムケーキにも工夫をこらした。地方の温泉旅館に着いたとき、ありきたりのおまんじゅうのようなものを出されるが、よほどのことがないと口にすることはないだけでなく、印象も悪くなる。何かいい方法はないかと考えてみると、県内に全国のケーキコンテストで優勝した有名なケーキやさんがあった。おまんじゅうに替えて、ウェルカムケーキとして口上を添えて出したところ大変好評になった。お客様にしてみれば同時に2つの楽しみが得られるのだから、これも一つの複合化である。全国からのお客様に人気を得るようになってホテルは見事に再生した。
(つづく)