
18. 複合化が付加価値を生む その9
栗林公園の韓国人客が76%増加したそうだ。韓国資本による日本のゴルフ場の買収も盛んである。旅館・ホテル再生も、点から面に視点を移せば見えてくることがある。
●接客態度や顧客サービスの向上だけでは限界がある
金毘羅さんのある琴平町で、瀬戸大橋開通の観光ブームのときに、一部の店がうどん一杯1,000円という暴利を貪るような商売をして全国的にヒンシュクをかった。その後、ブームは去って、青息吐息といわれる。栗林公園・屋島や小豆島も同じ。観光客の減少に歯止めがかからず、廃業も相次いでいる。各種イベントをしかけたり、接客態度や顧客サービスの向上の努力をしているが、苦しいところが多い。
ところが、四国新聞によると、栗林公園の2004年4月から12月の韓国人入園者が前年同期を76.5%上回る高い伸びとなったそうである。
●韓国資本が日本のゴルフ場を買収
韓国の人気俳優“ヨン様”ことぺ・ヨンジュンさんが極秘来日した際に利用した福島空港にも、韓国からのゴルフ客が押し寄せているそうだ。韓国でゴルフ場経営を手掛ける会社が出資、設立した会社が、福島県内の3つのゴルフ場を買い取り、昨年10月から運営を始めたためだ。
福島県は国内の観光客減で不振の続く温泉観光地などにゴルフ客を呼び込もうと懸命で、好調なソウル直行便の増便も航空会社に要請しているそうだ。ソウルから日本へは1時間少しで来られる。その日本の空港から1時間以内で行けるゴルフ場を、韓国資本が買収したがっている。韓国では現在300万人のゴルフ人口に対し、ゴルフ場は200カ所しかなく、ナイター営業しても足りない状況だ。アメリカ資本は短期間での転売を狙うが、韓国資本は視点が違うようだ。
●点と面
「鳥の目で見る」という言葉があるが、視点を変えると別のものが見えてくる。琴平・八島・栗林公園・小豆島という地域を一つ一つの点で見ると、人口は減少しているし、特に目新しいものはないし、なにも見えてこない。しかし、韓国や外国から見ると価値が違ってくる。高松空港を中心とした1時間以内のエリアという「面」で見ることで、栗林公園にもそれまで見えなかった価値が見えてくる。観光利便性に加えて、代表的日本庭園、日本文化という価値が再評価されている可能性がある。
●複合化は新しい顧客価値の創造
いつも言うように、複合化が付加価値を生むのは、複合化によって新しい顧客価値の提供があるからである。どのようにして新しい顧客価値を創造するかがポイントであるが、「点から面」のように「視点を変える」方法は重要だ。従来からある素材に新しい価値を見つけたり、新しい顧客価値(ニーズ)を発見することができる。地盤沈下地域のホテルを、近隣のゴルフ場とのセットで考えて複合化することで顧客価値を見出し、積極的に買収しているところもある。(つづく)