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05/04/20

27. 付加価値を生む複合化はどうすれば生まれるのか? その4

前回、アップルコンピュータの「iPod」好調の原因がネット音楽販売との「複合化」にあると書いたが、欧米におけるネット音楽販売曲数は前年の10倍になり、「iPod」の1〜3月期の売上は前年同期比6.6倍に、同社の当期利益も6.3倍に急増したそうだ。

 

●音楽配信サービスの成功の影に、衰退する業種もある
「iPod」とペアで成功しているサービスは、「iTunes Music Store(iTMS)」。iTMSはアメリカやイギリス、フランス、ドイツなどで、ネット曲を有料で配信し、今年3月で3億曲を超えて売上げた。
この音楽配信サービスの成功は、今後CD小売業界や、CDプレス、ジャケット印刷などのCD製造業界に大きな影響を及ぼしてくる。CDが不要になってくる。これらの業界には、中小企業が多い。このままでは苦しいが、どうすればよいのか。

 

●レコード店は何をする会社か
レコード店が、自分たちはレコードやCDを売ってきたから、レコード販売店だと思っていると、マーケットは縮小の一方であり、先行きはとっても暗い。
しかし、視点を変えれば、マーケットは縮小するどころか、拡大しているように私には見える。
顧客の視点で考えてみよう。インターネットからのダウンロードにしても、アップル以外でもソニーなどいろんなところが手がけはじめたが、どれがいいのかわからない。音楽は、ケータイからもダウンロードできるようになりつつあるがどれがいいのかよくわからない。不法コピーの問題もあるがどうすればよいのか。顧客としては知りたい情報がいっぱいだ。
そうすると顧客がレコード店に望むことは、iPodや音楽ケータイの購入アドバイスもして欲しいし、音楽関係のパソコンソフトのアドバイスもして欲しいし、音楽関係の雑誌や本の販売もして欲しいし、コンサートチケットの販売もして欲しいし、とニーズは膨らんでくる。
事実CD・DVDショップで、楽譜や携帯電話も扱い、音楽教室も開催しているようなところもある。レコードショップが地域一番のケータイショップという、業務の「複合化」に成功しているところもある。
素人考えかもしれないが、マーケットは縮小するどころか、拡大しているように私には見える。

 

●顧客の購買代理に視点を変える
いつも言うように、メーカーの販売代理ではなく顧客の購買代理の観点からすると、複雑で変化の激しいレコード業界(音楽業界)はマーケットが拡大の一途としか思えない。やはり、視点をどこにおくかということが経営において最も重要である。
視点を決めるのが理念であり、ミッションであり、ビジョンである。つまりは、企業の目的であろう。

 

●経営理念が目的を示す
目的を与えないで人に仕事を命じるのは不道徳であると言った人がいる。目的を示されずにノルマが与えられれば、仕事はその瞬間、苦役に他ならなくなる。とたんに、思考はストップしてしまい、創造性は失われる。アイデアは出てこない。サボることと楽することにもっぱら脳は活用され、相手の立場、顧客の立場の思考は失われてしまうことは、民営化前の「国鉄」を思い出せばよくわかる。
経営陣も含めて、企業内の人々に使命を与え、人々に目的を示すのが経営理念であるともいえる。(つづく)