
28. 付加価値を生む複合化はどうすれば生まれるのか? その5
ホリエモンの勝利に終わりそうなニッポン放送事件である。ただし、ホリエモンの保有するライブドア株式の時価総額は、事件の前よりも大幅下落したままだ。これが回復して初めてホリエモンの勝利となる。「100億稼ぐ超メール術」と言うホリエモンの本を思わず買ってしまった。おもしろい。メールで仕事が100倍効率化できる。会議の99%を不要にする。というものだが、創意工夫あふれるものだった。やはりホリエモンはただものではない。しかし、彼の理念は、私にはまだ不透明だ。
●経営理念と利益の相関性
人々に使命を与え、人々に目的を示すのが経営理念であると前回書いた。使命感を持つと人間は驚くべき力を発揮する。使命感がなければ人間は驚くほど堕落する。同じ人間が、企業戦士にもなればホームレスにもなる。
リーダーシップとは、そのリーダーがいなければ決して発揮しえないような力を人々に発揮させることだと言った人がいるが、納得できる。経営理念が人々に力を発揮させ、それによって利益を生むことも十分納得ができる。
経営理念と利益に相関関係があることは、いろいろな人が説明してきた。例えば、コリンズ&ポラスの「ビジョナリーカンパニー」という言葉がある。「長年にわたって成長し永続し続ける、真に卓抜した企業」と定義されている。
時代を超え際立った存在であり続ける企業18社を選び出し、設立以来現在に至る歴史全体を徹底的に調査、ライバル企業と比較検討し、永続の源泉を「基本理念」にあると解き明かしたものだ。
●中小企業における、経営理念と利益の相関性が数値化された
しかし「ビジョナリーカンパニー」は際立って特別な、卓抜企業のことで、中小企業には縁遠いとも感じてしまう。
それに対し、「理念が独自性を生む」(ダイヤモンド社)で、宮田矢八郎教授は、優良中小企業6000社の調査から、経営理念の有無と、売上高、経常利益の関係を数値化した。これは面白い。
経常利益額で説明すれば、経営理念ありの会社の割合は次のようになる。
経常利益3000万円未満 49%
3000万円〜1億円 61%
1億円〜3億円 69%
3億円以上 78%
この、78%と言う数値は際立った相関性を示している。
また、経営理念ありと回答した会社の平均経常利益額は、4900万円。なしと回答した企業の平均経常利益は2900万円。経営理念がある会社の経常利益はない会社の経常利益の1.7倍になっている。これもすごい数値である。経営理念と利益の相関性がはじめて実証されたものと言える。(つづく)