
30. 付加価値を生む複合化はどうすれば生まれるのか? その7
香川大医学部と工学部が提唱して「複合医工学」の国際会議を5月15日から4日間高松で開催するとう記事が四国新聞に載っていた。医学と工学を融合した学際的な新しい研究分野で、欧米を中心として15カ国以上から300人の研究者が参加し、最先端の成果を発表する。
医学と工学の複合化は香川大学ならでは、の取り組みであり、焦点が定まっていて良い。
●焦点を定めることは力である。
香川大工学部は、香川医大との統合を機に「複合医工学」を提唱した。国際会議実行委員長の呉景龍工学部教授は「トップレベルの技術や研究を集積し、産官学を連携を進めて、新たな事業化につなげたい」と話しているそうだ。
工学部と医大の統合という幸運もあったのかもしれないが、焦点が定まっている。焦点が定まったことにより、実行力がまし、このような素晴らしいとり組みに至ったものと思う。今後が楽しみである。焦点を定めることは複合化を生むポイントとなる。
●明確さは力である。
同じことかもしれないが、目標を明確にすることも力である。前回、自分の「想い」を目標として紙に書いて、普段持ち歩いている人はたったの3%しかいないと書いたが、その目標を繰り返し見て、日々反省している人はさらに少ない1%しかいないそうだ。
これは企業では、PDCAのサイクルを回す事と同じであるが、中小企業でこれを実践できている会社はやはり、驚くほど少ない。そして、実践すれば業績がすぐによくなることを私は何回も経験してきた。
目標を明確にすることで、アイデアがどんどん出てくる。複合化、連携ということを明確に念頭において経営会議をやっていると、いい複合化・連携のアイデアがどんどん出てくる。ものごとを明確にすることも、複合化を生むポイントである。
●ものごとを明確にするには
ものごとを明確にする方法は、紙に書くこと以外に、質問するという方法がある。この質問の方法は経営の現場では大変な威力がある。
人間は、言葉を実に曖昧なままに使っている。「みんなこうしている」とか、「あの人はちょっとだめですね」ということを平気で口にする。
「みんな」というのは本当に皆なのか。たった一人の意見だけで「みんなこういっている」となったりする経験をお持ちではないだろうか。そういったとき、「みんな?」と質問してあげることで、相手は言っていることの曖昧さに気づくことができる。
「あの人はちょっとだめですね」というのも、たまたま挨拶が悪かったというだけで、そのひとのいい面が捨象されてしまうということはないだろうか。「ちょっととは具体的には?」と質問してあげるだけで、本質が見えてくることがある。本質が見えてくると、それまで思いつかなかった答えが出てくるのだ。
●質問のもう一つの効用
また、相手に対し、自分が先に答えを見つけて、「こうして下さい」ということは、相手のやる気を大きく失わせることは、子どもの教育で経験した方も多いのではないか。たとえ答えがわかっていたとしても、相手に質問して、相手が自分で答えを見つけると、その答えに関連して、相手から驚くほどどんどんと、いい提案が出てくるのを経験したことがある人は多いのではないだろうか。これも質問の効用である。(つづく)