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05/07/27

40. 有限責任事業組合(LLP)を複合化に活用する

有限責任事業組合(LLP)法が8月1日より施行されることとなった。思いのほかスピードが速い。「新連携」制度とともに、中小企業の複合化、連携をサポートする有力な制度となるだろう。これを利用しない手はない。

 

●有限責任事業組合(LLP)とは
経済産業省は、創業を促し、企業同士のジョイント・ベンチャーや専門的な能力を持つ人材の共同事業を振興するために、民法組合の特例として、1,出資者全員の有限責任、2,内部自治の徹底、3,構成員課税の適用という特徴を併せ持つ有限責任事業組合(LLP)制度を創設した。
LLPとはLimited Liability Partnershipの略。会社法と並行して制度が作られ、今年4月に関連法が成立し、8月1日より施行される。

 

●従来の商法に基づく会社と違い、ノウハウやアイデアを持つ人を優遇できる。
商法上の会社では、出資額を基準として議決権の行使や利益配分が行われる。資本金を多く出した人が最終的には有利になる。ストックオプションという制度で、業務に実際に貢献した人に報いることはできるが、やはり大株主にはかなわない。
有限責任事業組合(LLP)では、出資額は90:10であっても、議決権は50:50、利益の配分は30:70というように自由に決めることができる。
したがって、お金を持っていないものであっても、すぐれたアイデアを持った研究者や学者、すぐれた才能やノウハウを持った技術者、中小企業を優遇することができる。

 

●アメリカ、イギリスでは多用されている
アメリカでは、LLC(注)も含め、ここ10年間で80万誕生し、IBM・インテルなどの共同研究、金融産業、IT産業などで活用されている。スピルバーグのDreamWorksなど、映画業界でもLLCの活用が盛んである。
イギリスでは、2000年創設、KPMGなど会計・法律事務所、デザイン、IT産業などで1万を超えて活用されているそうだ。

 

●「知恵の時代」の「新連携」に活用できる
現代は「知恵の時代」といわれ、複雑性の時代でもある。だからこそ、一人の力で事を起こすのではなく、叡智を集めた「新連携」で新しい価値を生むことが重要である。そこに中国などに対抗して、先進国が生きる道がある。
LLPの活用事例としては次のようなものが想定されている。


★プログラミングやグラフィックデザイン、セキュリティ、営業等の分野で専門的な能力を有する専門人材が集まって、ソフトウエアの共同開発販売事業をするケース。


★経験のあるコア企業が全体をリード。目利き能力を活かして大企業に対する提案型の事業展開を推進し、各社が金型製作・成形加工に関して専門的な能力を提供するケース。


★大手メーカーとベンチャー企業との共同研究開発のケースや、大手電機メーカーからのスピンオフ・ベンチャーのケース。


★大学の研究者、教授と一般企業の産学連携のケース。


★農業者と食品流通業者と食品加工業者が無農薬野菜、加工食品の共同事業を立ち上げるケース。
などなど。今後地方でも活用事例が多く出て、創意工夫の風潮が盛んになることを期待したい。
公認会計士 三好貴志男

(注)LLCは、会社法の規定によるもので、LLPと内容はほぼ同じだが、LLCの施行は来年4月。
LLCには法人税が課税される点が異なる。LLPは法人税は課税されない。そのかわりに、組合員(構成員)に分配された所得に対して、組合員の他の所得と合算して課税される点が異なる。これを、パススルー課税といい、LLPのほうが課税上有利となる。