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05/08/03

41. 新会社法・活用戦略その1

前回は、有限責任事業組合(LLP)について書いたが、新しくできた「会社法」もLLP同様、極めて柔軟な作りになっている。新「会社法」を中小企業の連携戦略や業務複合化に利用しない手はない。

 

●合同会社(LLC)の創設で高度な能力を持つ人材と連携
新「会社法」の中に創設されたLLC(Limited Liability Company)は、前回ご紹介したLLPとほぼ同じである。株式会社同様に有限責任であり、かつ、組合同様に利益配分や意思決定の仕組みなどを自由に決めることができるという柔軟性を持っている。
そのため、高度な能力や技術を持つ人材と連携し、彼らのモチベーションを高めて活用することができる組織といわれる。諸外国では、先端技術の共同研究開発型の合弁会社設立など、提携戦略に多く利用されている。日本でも今後、中小企業が、大学や大企業と連携し、高度な知的財産・人的財産を活用する連携戦略の面で期待できる。

 

●LLCとLLPどこが違う?
それではLLCとLLPどこが違うのか? 前回書いたように、LLPには、税制上の利点がある。LLP自体は法人税が課税されず、組合員(構成員)に分配された所得に対して課税されるため、二重課税を受けることがないという利点である。
しかし、LLCにも利点がある。利益が上がらない間はLLPは収益分配はできない。それに対し、LLCは利益が上がらない間でも役員報酬という形で収益分配ができるとされている。立ち上がりまでに長期にわたる開発期間の必要な事業のケースではLLCの方が使い勝手がよいかもしれない。
その上、LLCは上場できうるが、LLPはそのままでは上場できない。一旦解散して、新たに株式会社を立ち上げる必要がある。この面でもLLCの方がいい。

 

●議決権10倍の株式
新「会社法」はLLC以外にも、連携戦略に使い勝手のよいものがたくさんある。例えば議決権10倍の株式の発行というものがある。
従来は議決権は1株につき1議決権ということが決まっていた。そうするとお金をたくさん出した人の勝ちということになってしまう。
しかし今後は、例えば1株につき10の議決権を持つ株(複数議決権株式)を自由に発行することができる。これは、会社の乗っ取り防止策に使えるものとされている。乗っ取りされそうになったときに、そのような株を発行することで、経営陣が支配権を防衛することができるからである。
しかし、この株式を応用することで、連携戦略の幅が広がる。大学の研究者や、企業の技術者、中小企業などが大企業と連携して合弁会社を作るときに使える。
お金はなくても、会社の支配権を確保する方法が増える。中小企業が、大企業やベンチャーキャピタルなどから出資を仰ぐ際には、支配権の確保が問題になるが、取り組み方法が柔軟になる。完全無議決権株の発行と組み合わせれば、企業の提携戦略の手法が大幅に拡大することは間違いない。
新「会社法」では他にも合併等における柔軟性も拡大している。(つづく)