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05/08/10

42. 新会社法・活用戦略その2・赤字子会社の合併が容易に

新「会社法」により、債務超過の会社の合併が出来るようになった。中小企業にとっての利便性は大きい。子会社の繰越欠損金が利用し易くなる。

 

●債務超過会社の吸収合併はできるか?
子会社が赤字続きで、税務上の繰越欠損金がたくさんあったとしよう。親会社は黒字で、税金をたくさん支払っている。グループ全体としては収支トントンでも、黒字の親会社は税金を支払わなければならないのだ。これは大変困る。
何とかしたいと思ったとき、その子会社を吸収合併する方法がある。
ところが、簡単には行かない。赤字の子会社は債務超過の場合が多いため、吸収合併ができない。債務超過の会社の吸収合併は認められていないからだ。資本充実の原則に反するという理由である。(債務超過かどうかは時価ベース=実質債務超過で判断する)

 

●債務超過会社の吸収合併が認められるようになった
債務超過とは、資産より負債の方が大きい状態のこと。税務上の繰越欠損金が多額だと、普通は、債務超過になっている。そうすると、商法上、相当の含み益のある資産を保有している場合を除き、吸収合併はできない。子会社が赤字でいくら多額の繰越欠損金があったとしても、その繰越欠損金を利用できなかった。
ところが、今回、新会社法では、債務超過会社の吸収合併が認められるようになった。その理由は、債務超過の子会社を救済して、グループ全体の経営効率を高めるという実務上の要請が強くなったというところにある。また、債務超過会社を吸収合併するのではなく、債務超過会社が他の会社を吸収合併する、いわゆる「逆さ合併」は認められていることとの理論的整合性をとった面もある。

 

●節税手法として有望か
従来は、債務超過の子会社の繰越欠損金を使うためには、増資をしたり、不動産の評価を出来るだけ高くしたりして、実質債務超過状態を解消してから合併をするという方法をとるしかなかった。しかし、今後はそのような手間をかける必要はなくなる。グループ会社の中の繰越欠損金の有効活用がやりやすくなる。
節税手法として赤字子会社の合併を利用しやすくなるし、グループ全体の再編・整理戦略が効率的・柔軟に取れることとなる。

 

●赤字会社の買収
それならば、繰越欠損金の残っている赤字会社を買ってきて、合併するという方法はどうだろうか。残念ながら、あまり有効性はない。買収後5年以上経ってからの合併でないと、被合併会社の繰越欠損金は引き継げないことになっているからだ。
ただし、方法がないわけではない。赤字会社を吸収合併するのではなく、赤字会社で収益事業を営めばよい。赤字会社の繰越欠損金を有効利用できるため、節税が可能である。
(次回からは「中小企業のための新会社法」シリーズを始めます。)