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05/08/17

43. 新シリーズ・中小企業のための新会社法の実務 その1

今回より新シリーズを始めます。Q&Aによる、新会社法実務解説です。

 

Q1:資本金0円で会社が作れると聞きましたがほんとうですか?

 

A1:0円というのは、厳密には本当とはいえませんが、実質的には可能です。
設立当初1円で会社を作ることが可能になりました。その後減資して資本金0円にすることが理論的には可能です。その意味で資本金0円で会社が作れるとも言えるわけです。(下記 解説 参照)

 

●なぜ資本金0円で会社を作れることにしたのか?
なぜ資本金0円の会社が認められるようになったのでしょうか。そのことに、実務上どのような意味あるのでしょうか。
現在でも「確認株式会社」や「確認有限会社」という制度があり、資本金1円での会社設立が認められています。ただし、経済産業大臣の確認を受ける必要があり、設立後5年以内に増資をする必要があります。
新会社法では、そのような制限も一切なくなったわけで、会社設立が大変やりやすくなりました。
これは新規創業の促進の必要性が高くなってきたことが、大きな理由です。またそれだけではなく、最低資本金制度が形骸化していること、最低資本金制度からくる形式的な制約が様々な面で弊害を招いていたことなども理由です。

 

● 最低資本金制度は必要なのか
最低資本金制度は、銀行や仕入先などの債権者を保護する目的で設けられていました。会社の信用力の担保として設立時の最低資本金制度があったわけです。
しかし設立時に最低資本金制度があったとしても、その後、企業が赤字続きで債務超過になった場合に、増資を義務付けているわけでもないため、債権者の保護の意味をなさないのが実情です。
設立時の最低資本金制度よりも、設立後の配当制限を課すことで、債権者保護を図ることの方が現実的です。具体的には新会社法では、純資産額が300万円未満の会社では配当ができないこととされました。

 

●最低資本金制度からくる形式的な制約の弊害
設立時の最低資本金制度が、あまり債権者の保護の意味をなしてはいませんが、最低資本金制度を大きく潜脱する行為を禁止するための形式的な規定はたくさん設けられていました。「現物出資」、「財産引受け」、「事後設立」の際の検査役による調査制度などです。
それが、企業組織再編に際して弊害となるケースが多かったため、今回規制緩和がおこなわれました。検査役による調査制度の一部廃止などです。合併や株式移転がやりやすくなりました。
以上

 

(解説)
●最低資本金制度の廃止とは
新会社法ではつぎのように定められています。
第二十七条 株式会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
 一 目的
 二 商号
 三 本店の所在地
 四 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
 五 発起人の氏名又は名称及び住所
このように、「四 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額」とのみ定められており、従来のような資本金の最低額を定める規定(商法168条の4、有限会社法9条)がなくなりました。だから、資本金を1円として会社を設立することも可能になったわけです。ただし、現在のところ、0円での設立は認められないと解釈されています。

 

●資本金0円までの減資は理論的に可能
しかし、立法担当者の書いた新会社法の解説書では、資本金0円までの減資は理論的に可能と記載されています。

資本金の額の減少,準備金の額の減少,剰余金の資本組入れについては,以下のような見直しを行っている。
《1》 株式会社の成立後に減少することができる資本金・準備金の額については,制限を設けないこととする(いずれも0円とすることが可能)。
このように、資本金0円の会社は認められているわけです。これまでの常識からすると驚きです。