中小製造業のQCサークル「12.対策の実施について」を追加しました

前回までは、「THE 金型名人」サークルが、特性要因図から問題の解決策を検討し、以下の対策案を決定したことについてお話しました。

 

(1)金型製作に入る前のCAE解析(※)の実施
(2)過去トラからのチェックリストの作成
(3)(1)(2)をベースに、打合せへの参加

 

今回はこれらの実施と効果の確認について、お話したいと思います。

対策の実施にあたっては、各々の実施策を具体的な作業レベルにまで分解し、それぞれに担当者や実施期間等を決めていきます。例えば、(1)のCAE解析の実施については、具体的にどの製品について実施するのか、どういった分析(強度分析なのか、充填分析なのか、冷却回路分析なのか・・・等)をするのか。

 

当社の場合は、CAE解析をする設備が社内にありませんでしたので、どこに協力を求めるのかも重要になります。これらの細かい内容について、誰が、いつまでにといったことを決めて一覧表を作成します。

 

結果、解析のための設備については、社長に相談し、社長の知り合いの会社で実施してもらえるようになりました。その社からのアドバイスもあり、Nさんたちは、2種類の製品(製品A、製品B)の金型設計段階において、各製品特徴に合わせたCAE解析を実施することになりました。目標はどちらの製品についても、「金型責任による立ち上がり品質トラブルをゼロにする」ことです。

(2)(3)の実施策についても同様に進めていきます。実施内容について、あまり細かく記載しても非常にマニアックなものになってしまいますので、次回は、Nさんたちが実施した内容について、どのように効果の確認をしたかをお話したいと思います。

(※)ここでのCAE(Computer Aided Engineering)解析とは、金型の製作に入る前に設計データを使って、強度解析や流動解析をするということです。

 

みどり合同経営 コンサルティング部門
中小企業診断士 犬飼あゆみ
執筆者ご紹介 → http://ct.mgrp.jp/staff/inukai/

 

前回までのレポートはこちらをご覧ください → http://ct.mgrp.jp/column/c03/