これは使える!ちょっと工夫”業務改善への道” 「工事原価管理と支払業務、経理業務のムダ(5)」を追加しました

専門工事業D社の総務部長から「支払業務の効率化」について相談があり、これまで業務の現状把握を行い問題点について検討を行ってきました。結論として専用のソフトウェアを導入して効率化を図ることに決定しました。

 

前回では、ソフトウェアには大きく分けて「オーダーメイド」と「パッケージ(既製品)」があることをお話致しました。総務部長様より「できるだけ低コスト、短期間での導入」を目指したいとの希望をお聞きし、パッケージソフトウェアを利用することに決定しました。

 

今回は、パッケージソフトウェアの選定についてお話したいと思います。

 

【6.ソフトウェア選定のポイント その2】

総務部長様と私は、D社の業務に合ったパッケージソフトの選定に着手しました。

 

今回パッケージソフトウェアに要求する最大のポイントは、「一度のデータ入力で複数の業務を連動させ、業務が流れるようにすること。」です。具体的には、同じ原価データを業務ごとに、それぞれ入力作業を行っていたものを一度の入力で済むようにすると言うことです。

 

重複入力を行っていた業務とは、
  1.実行予算管理
  2.外注・材料業者への発注業務
  3.業者からの請求書チェックと集計
  4.支払い業務
  5.経理処理 
の5つです。

 

1の実行予算管理は、建設業特有の業務であり、2~4までの業務は仕入管理に近い業務です。5は通常の経理業務です。経理業務については、すでに建設業専用の会計ソフトウェアを利用されています。

総務部長:「じゃあ会計ソフトと同じメーカーO社から発売されている同じシリーズの仕入管理ソフトを使うのが

      いいのではないですか。同じシリーズということもあり操作性も同じでしょうし、仕入管理ソフトから

      業者への支払いデータを会計ソフトに連動させることができると、O社ソフトのパンフレットに書いて

      ありましたよ(得意そうに)。」

 

    私:「そうですね。御社が建設業で無ければ、部長のおっしゃることが正解なのですが・・・。」

 

総務部長:「え~違うんですか?(がっかりした様子)」

 

    私:「今回は、実行予算管理のソフトを一番に選定しましょう。これは建設業特有のソフトで、ソフトの

      種類はすくないのですが、今回の中心となるソフトなんです。と言うのも・・・」

 

      「発注、納品、請求、支払のデータは、現場名、工種、品目、数量、単価といった項目でできています

      よね。このデータは、まず実行予算を策定した時に決定され(例外もありますが)、その後同じ内容で

      発注・・・と進んでいきますよね。次に業者から現場に納品があり、請求書が送られてきますが、

      その請求書のチェックはどのようにされていますか?」

 

総務部長:「現場責任者は、実行予算書(毎月の発生原価額=支払額を記載している)と業者からの納品書、

      日報を見てチェックしています。現場責任者のチェックが終わると、工事部長が工事毎の発注書と

      照らし合わせて単価や過払いなどをチェックしています。そのあと経理に回ってきます。あっ、そうか、

      実行予算書を中心に回っているといったイメージですね。」

 

 

早速、「実行予算管理」ソフトの選定に着手することにし、工事部長にも参加頂いて進めていくことにしました。総務部長様はソフトメーカーのホームページを参考に資料を請求したり、知り合いの同業者にどんなソフトを使っているのか聞いてみる事ことにしました。

 

次回は、「実行予算管理」ソフトの選定ついてお話したいと思います。

 

みどり合同経営 コンサルティング部門
コンサルタント 山下晶子
執筆者ご紹介 → http://ct.mgrp.jp/staff/yamashita/

 

前回までのレポートはこちらをご覧ください → http://ct.mgrp.jp/column/c01/