地域の元気を回復!全国の建設業の取り組みをご報告します 「愛媛県内子町に行ってきました その1」を追加しました

「この牛乳おいしいですね」
「これは町内の竹を餌料にして育った乳牛によるものですよ」

ここは愛媛県内子町。内子町は大部分が山間部(水面・山林・原野で約80%)により構成される典型的な中山間地で、農林業が主たる産業であり、第二次産業としては建設業関係が主体です。

 

同町では林業の衰退、農林生産者の高齢化等により、広範囲にわたる荒廃山林、放置竹林の環境改善が課題となっていました。そのような中で、同町では、「エコロジータウン内子」をめざして、木質バイオマスのエネルギー利用や放置竹林の竹飼料化等に、以前から積極的に取り組んできています。

 

今回は、このような地域ニーズへの対応として、地域の建設業がリーダーシップを発揮し、その人材や機材を活用しつつ、放置竹林の環境改善をモデル的に実施するとともに、伐採された竹を餌料として利用する資源循環型利活用事業への取組みを見学させていただくことになりました。

 

今回の取組みとしては、まずはやってみて(試行的実施)、本格的な事業化が可能かどうかの見極めを行うことが主目的となっています。これを推進するのは、上記地域の建設業者と、内子町や関連団体(建設産業団体、森林組合)で構成される「うちこ地域元気回復事業推進協議会」です。

 

具体的な取組み内容をご紹介しましょう。

1.放置されている竹林の所有者に、竹を無償で提供してもらう。
2.建設会社のA社が竹林の効率的な伐採を担当。
3.建設会社のB社が伐採された竹林の竹餌料ペレット化を担当
4.竹餌料ペレットを地元の畜産農家へ低価格で販売。
5.内子ブランドの竹餌料乳製品を観光客等へ販売。

 

このように、地元の建設会社が、放置竹林の伐採、収集、竹餌料ペレット化など、中心的な役割を果たしています。実際には、餌料としての検証など、まだこれからの課題ではありますが、検証結果が良好なものである場合、全国に普及する可能性を秘めており、非常に期待されるところです。

 

次回は、この事業で期待される効果や推進者の方からお聞きした苦労話なども交えてお話したいと思います。

 

みどり合同経営 コンサルティング部門
中小企業診断士 犬飼あゆみ
執筆者ご紹介 → http://ct.mgrp.jp/staff/inukai/

 

前回までのレポートはこちらをご覧ください → http://ct.mgrp.jp/column/c13/