コラム 「森を核にした町づくりに建設業が貢献~ 高知県ゆすはら その2」を追加しました。

前回から、高知県のゆすはらにおいて、建設業が林業への副業化を進め、森の資源が循環する低炭素なまちづくり」に挑戦するという「ゆすはら森の3R推進協議会」の事例をお届けしています。

 

ここで「3R」とは、本事業における以下の3つの柱を意味しています。

 

(1)Reuse:再利用
道路整備においてノウハウを持つ建設業が、降雨等により雨裂や崩土により荒廃した既存林道や作業道を効率的に修繕し、そこに眠っている森林資源の整備(間伐等)を実施する。

 

(2)Reduce:減らす
路網整備や間伐作業等で発生した林地残材(端材、枝葉)を建設業者、森林組合が連携して集積し、木質ペレットに適した端材とそれ以外の枝葉に分別し、捨てる林地残材を減らす。

 

(3)Recycle:再資源化
木質ペレットとして利用できる端材は、町内にあるペレット工場へ搬出し、それ以外の枝葉等は、燃料用チップや製紙・ボード用チップとして回収工場へ搬出し再資源化する。特にこの点は、町主導で木材利用を強力に促進。

 

本事業では、協議会の構成員が各々にメリットを見出して積極的に取り組んでいる点が、当該事業を円滑に進めることができるポイントとなっています。建設業では建設投資が減少する中で(約10年間で60%強の減少)、既存の人材や機材を活用した経営の安定、雇用の安定化が期待されています。特に、建設工事の端境期に林道等の修繕を行えることが、大きなメリットとなっています。

 

また、建設業者による林道修繕が、間伐等の作業性向上(収益向上)に繋がるといった林業者へのメリットも生まれています。そして、これらを実施することで、低炭素な町を宣言する梼原町のまちづくりも実現されつつあります。

 

梼原町は、坂本竜馬の「脱藩の道」としても知られる町です。実は私も昨年の竜馬ブームにのって梼原町を訪ねました。梼原町産の木材を使用した立派な屋根付きの橋「神幸橋(みゆきばし)」や町役場などは必見ですので、皆様も訪れてみませんか。

 

みどり合同経営 コンサルティング部門
中小企業診断士 犬飼あゆみ
執筆者ご紹介 → http://ct.mgrp.jp/staff/inukai/