コラム 実抜(実行可能、抜本的な)計画のスタートライン! ~自社のチャームポイントは何だろう!?! 第8回:O社様へのインタビュー(2)

本メルマガのモデルとなりましたO社社長様へ、経営革新計画策定過程でのお気持ち、ご会社への思いなどをインタビューさせて頂きました。
今回は、O社社長様へのインタビューの後半となります。
(弊社コンサルタント:以下みどり)
ご会社の今後の方向性をどのようにお考えですか?
(O社様)
まずは、業界で国内NO1が目標、売上規模で10億円になること。
大手(上場会社及びそれに準じる規模の業界企業数社になります)の取引先開拓を、ここ5~6年かけて進めてきたことが、当社の成長に繋がっています。
レベルの高い大手顧客の要望(特にコスト面及び品質)を提供していける会社になれるかがポイントだと思っています。
実は、今回の設備投資(経営革新計画)について、当初役員会では、今までの製造方法に人の手を加えれば対応できたため、慎重な意見が大半だった。
それでは、ライバル企業でもすぐ対応でき、コスト面で優位に立てないと考え、何度も役員会で議論を行い、金融機関へ自ら何度も説明を行い融資の承認を得ました。
(みどり)
先程の攻めを進めようとした場合、ご会社の従業員の組織・風土は、今後どのように変化していけばいいと感じていらっしゃいますか?
(O社様)
やはり、全員が経営者の感覚を持ち、仕事を進めていくことだと感じています。ここは、時間が非常にかかることだし、やはり従業員との膝と膝とを交えた話し合い、それは、仕事中もそうですし、夜個別に従業員と食事をする機会をもつこと、両面が欠かせません。
(みどり)
O社様は特許等にも前向きに取り組まれていますが、今後の技術戦略についてはどのようにお考えですか?
(O社様)
自分しか、新たな製品や製造方法について、考えてきていないので、そのあたりの人材育成が必要だけど、なかなか難しいと感じているのが本音です。
本メルマガでは、経営革新計画をO社様と一緒に取り組んだ過程を通じて、企業様の強み(チャームポイント)を再認識すること、財務面・事業面・技術面など多方面の視点で自社の実態を確認すること、社員を巻き込んだ活動とすること、などの重要性とともに、金融機関から見た経営計画の視点(実抜計画)についてもお話させていただきました。
中でもご会社の強みでお話させていただいたO社様の実行力の高さは、社長様ご自身の強い推進力(リーダーシップ)と、「攻めの意識を持たないと会社の繁栄はない」という意識を組織風土と根付かせるため、地道に従業員との対話を継続してこきたとに尽きると思います。
今回のインタビューを通じて、やはり中小企業のご会社では、社長様の姿勢がご会社の強み(チャームポイント)を作ると改めて感じました。
最後に、皆様、本メルマガにお付き合い下さり、ありがとうございました。
※(補足)※
O社様の扱う部材は、国内市場約50億円規模です(現状の売上規模7億円程度業界で3位から4位)。ここまで、国内NO1のシェアこだわる理由は、大手から必要とされる提案力があり、前向きな企業として存在感を認識してもらい、大手が成長の見込めない国内市場から海外市場、人件費の安い海外へ製造拠点を重視している環境下、海外市場でもO社様を必要なパートナーとして認めてほしい、と考えているからです。
大手が海外を重視するにあたり、製造拠点の現地化はさらに進み、部材についても現地メーカーとの取引を開始しています。
ただし、現時点では現地部材メーカーの品質面が大手の求めるレベルではありません。
以前説明をしましたとおり、今回の経営革新計画は、大手が最終商品に仕上げる時の製造後工程で大幅なコストダウン(手間が少なくなる)につながる部材の製造方法であり、かつ品質は大手が求めるレベル以上です。
また、部材自体はかさ張らない、「小さく軽いもの」で、運送コストは掛からないに等しく、O社様の工場(国内)で生産してもコスト面でも負けることはありません。
仮に、今回の取り組みをせず、大手の製造工程でO社様の部材を使わざるを得ない状況を作らなければ、いずれ海外部材メーカーは品質面でも将来的に対応ができるようになり、海外市場でO社様が扱う部材が使われないだけでなく、海外生産されたものが国内市場で大半を占め、国内の部材市場がなくなることが予想されます。
ここに、O社長様の本質的な危機感があると思われます。
みどり合同経営 コンサルティング部門
副部長シニアコンサルタント 澤田兼一郎
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みどり合同経営 コンサルティング部門
コンサルタント 三谷利恵
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