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コラム 中小建設企業のM&A 第4回 フリーキャッシュフロー法

2013/09/05

前回までは企業価値評価の手法の総括的な説明をしてきました。
今回からは具体的な手法についてのお話になります。

まずは、インカムアプローチの代表的な手法であるフリーキャッシュフロー法です。これは会社が保有する事業資産が生み出す将来キャッシュフローに基づいて事業価値を算出する方法となります。

ここで、フリーキャッシュフローとは税金や費用等の支払いを行い、必要な投資を行った後に企業に残るお金の事であり、この累積を会社の事業価値と考えます。

フリーキャッシュフロー法は主に以下のようなステップで算出を行っていきます。

①過去の業績分析
②将来キャッシュフローの予測
③資本コストの推計
④継続価値の計算(事業価値の計算)
⑤企業価値の計算

それでは各ステップの留意点を見ていきたいと思います。

【ステップ1:過去の業績分析】
ここでは対象企業の決算書(貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書)を分析して、正常にキャッシュフローを算出する事が目的です。同時に、過去の業績分析や全体的な損益の傾向や設備投資や運転資金の状況等を把握します。
キャッシュフロー計算書は中小企業では添付されていない事も多いので、別途作成する事が多くあります。

また、「正常」なキャッシュフローを算出するために過去の業績推移に異常な点があれば、出来るだけ正常な業績に戻す作業も必要となります。建設業であれば、売上高の計上基準を確認・整理する作業や「未成工事支出金」等の勘定科目の整理は必ず行います。将来予測をするためには入念な過去分析が重要になるので、十分に企業の実態を整理する作業を
このステップで行っていくのです。

【ステップ2:将来キャッシュフローの予測】
ここでは事業計画を分析して、将来的なキャッシュフローを予測する事が目的となります。事業計画は対象会社が作成したものが一般的であり、企業実態とかけ離れている事もあるため、実現可能な計画か確認する事は重要です。その際には、将来的な設備投資、運転資金の推移、ステップ1で把握した過去業績を考慮します。

建設業では、案件により契約金額や利益率にバラつきが出てくるので将来予測が難しい面もあります。そこで、将来の予測を正確にするために、発注者ごとの区分(土木や建築、公共や民間などの分類)や顧客別の区分で工事を整理する事なども重要となってきます。 

☆ポイント☆
フリーキャッシュフロー法では過去の分析と将来のキャッシュフロー分析が企業価値算出のための最初のステップとなる。

みどり合同経営 コンサルタント 林田 晃尚
(日本公認会計士協会準会員)
執筆者ご紹介 → http://ct.mgrp.jp/staff/hayashida/

 

 
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